2012/06/28

なぜ米国の方が給料が高いのか?

米国の給与が高い理由

少し前に、Facebookでこんな記事が話題になりました。なんで、米国の方が給料がたかいのだろうと。給料の話になるとやはり、皆さん気になるようです。アメリカが不況だと感じている僕たちからすると尚更、気になります。

これには3つの複合的な理由があると思います。1,労働環境の違い、2,企業の予算の支出の仕方、3、日本のウェブ業界の問題、があると考えています。1、2は私達ではどうにも出来ない部分です。3は私達が少しは努力できる部分です。

労働環境の違い

アメリカの会社は、業種によりますが労働基準法が非常に厳しいので残業をした分は必ず雇用主が支払いをしなければなりません。1時間でも2時間でも残業手当がついています。日本のように残業をした分がうやむやになって、終電まで働くということは稀なケースです。このあたりが給与を押し上げていると考えています。ただし自分で好きで作業をしている場合などは、この場合ではありません。
また大きく違うのは、健康保険が日本と違って個人が払うので給与がその分は加算されています。表の中でNYCが郡を抜いて給与が高いのは、物価がNYC(ニューヨーク・シティ)は地代が日本の東京より高いというのも理由です。

企業の支出の違い

欧米の企業のウェブへの支出は、私の知る限りはマーケティング戦略部門と広告部門から予算が支出されています。日本では広告部門のみから予算が支出されています。欧米ではウェブをマーケティングのプラットフォームと考えてあらゆる部分にウェブが入り込んでいます。ウェブを重要視しており、企業のサイズにもよりますが企業の中に制作会社が存在していることが多々あります。

しかし、日本ではウェブは殆どの場合は広告と位置づけられていることが多く。ウェブは紙媒体の変わりのように扱われています。企業で運用が広告宣伝部が人を雇って1名〜2名で行なっている環境をみますが、これも1つです。

欧米ではウェブへのプラットフォームとして投資が大きくおこなわていることが、ウェブの人たちの求人にもつながり、給与を押し上げているのだと考えています。

日本のウェブ業界の問題

最後の理由の日本のウェブ業界の問題は少し複合的です。日本のウェブの問題は、1つはa,工場化による低価格化、b,自分の仕事への対価を求められない、という2つあると考えています。

a,工場化による低価格化

日本のウェブ制作会社には、工場のようにひたすらコストを削減して単価で勝負している会社があります。これは1つの戦略でしょう。ページ単価のみ謳い文句にして、1ページあたり◯◯円という広告を目にしたことがあるでしょう。ウェブを工業製品のようにあつかい、単価のみで勝負をしています。この価格を基準に値引きをせまられた経験のある方も少なくないでしょう。しかし単価の低価格を支えるものは、効率化もあるのかもしれませんが、最後は人件費の削減だったり、長時間労働だったりします。これでは、給与の決定的な低下を招きます。

b,自分の仕事への対価をもとめられなくなっている

自分への投資の姿勢の違い

欧米は日本に比べると、大学を卒業してからも大学に戻って勉強する人が多いと考えています。アメリカの大学で夜間のクラスを取ると年配の人がたくさん授業をうけて単位を習得しています。60代ぐらいの生徒もいるくらいで、生涯学習が深く生活に入り込んでいます。また、単位を習得する理由として転職を考えている人がいるようです。自分への投資という考え方が確りとしています。

有料イベント隆盛

欧米では無料のイベントには、よっぽどの理由がないと参加はしない。アメリカ人の友達に一緒にいくイベントが無料だと伝えると「大丈夫なのか?」「無料だとあやしい」などのコメントが返ってきます。どういうことでしょう?彼ら曰く、無料ということはセールスピッチをきかされるとか?何か相手にあげるものがあるなど悪いことをイメージするらしいのです。またお金を払っていれば「文句」が言えるとも考えているようです。無論、そこに無料であるロジックがあればいいのですが。スポンサーがついている=セールスピッチを聞かなければならない、メールアドレスや名前など個人情報(企業が後でDMを送付できる)を与えないと参加できないなどです。

欧米のカンファレンスは有料が当たり前

欧米のカンファレンスは有料がほとんどです。だいたい参加費用が800〜1,000ドルぐらいが相場です。このくらい払えば、内容がしっかりしたものを聞くことが出来るでしょう。当然、内容が伴わければ2度参加することはないのですが。参考までに海外のカンファレンスの値段を少し調べてみましょう。
  • Web Directions South(2日間)=1199USD=96,000円
  • An Event Apart(2日間)=999USD=80,000円
  • DIBI(1日間)=299GBP=38,000円
(1ドル=80円、1GBP=125円)

1日あたり40,000円ぐらいが相場です。日本と比べると郡をぬいて高いと思います。日本のように無料のカンファレンスとか20ドルぐらいのカンファレンスは見当たりません。バーで飲みながらというような、ものぐらいです。この場合はスピーカーの自社の商品のセールスみたいなものが多いです。

払って得た技術だからこそ対価が生まれる。

お金を払って得た技術であれば、参加費用分を自分のビジネスの中で取り戻さなければならないと思うようになります。海外のカンファレンスに参加している僕も一緒です。1回の渡航でかかる受講料を含めた40万円ていどのコストを取り戻そうとしています。結果、必然的にクライアントへチャージしますので売上高も上がりますし利益も大きくなります。当然、技術を伴わなければなりませんが、欧米の有料カンファレンスになって何も得るものがないということはまずありません。
国内の制作会社のR&D(先端技術の開発部門)の人達が海外カンファレンスに積極的にでかけて情報収集しているのが何よりの証拠でしょう。

勉強会を高いという人は、自分に投資ができていないかも

よくカンファレンスやイベントが高いとかいう人がいますが、高い給与を得たいと思うならば、当然、自分に投資しなければなりません。twitter で高いとつぶやく人をみかけますが、自分に投資をできてないように見られるので注意しましょう。

セールスピッチありの無料イベントでも、自分の時間を投資してスキルアップをしているのでいいのですが、有料のカンファレンスであれば無料のカンファレンスとは違う情報を得るチャンスが多いでしょう。(スピーカーの中には無料と有料で内容を出し分けしている人がいます。私自身も全くのクローズド向けの有料カンファレンス向けのプレゼン資料があります。)

より多く時間とお金を投資することが、自分の価値を高めることになります。毎日、制作業務をこなしながら、週末にセミナーに参加して自己投資をしている人はしているのです。

まとめ

欧米のウェブ関連の人達の給与が高いのには大きくは社会制度などの複合的な要素があります。しかし、日本のウェブ関連の人達の自分への投資ができていないという問題があります。欧米並みの給与を得たいと思うのであれば、今の自分の領域に満足せずに新しい領域に踏み出すことも必要でしょう。自身で勉強したり、カンファレンスに出席して自身へもっと投資することをオススメします。