2015/11/11

ニールセンのUXCという資格を取得して

日本人初のニールセン・ノーマングループの資格を取得しました

7月中旬にオーストラリアのシドニーで開催されたニールセン・ノーマングループのワークショップに参加し、UXの資格を取得しました。そのUXの資格の過程で、考えたことなどシェアしたいと思います。

まず、ニールセン・ノーマングループは、アメリカのシリコンバレーエリアにある、UI&UXコンサルティング事務所です。ノーマンはアップルのUI設計した1人として知られています。ニールセンの名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、UX界隈ではトラディショナルで老舗のコンサルティングファームです。(他にもAdaptive PathやCooperなどあります)

資格=ビジネスだとおもってました

僕自身はあまり資格に興味がなく、仕方ないのですがある一部は「資格=ビジネス」と考えています。なので、今回の資格も勉強の結果の副産物的な位置づけな方向です。暦としたしっかりとした資格もありますし、世の中の大半はそうだと思います。

なぜ資格を取得したのか?

UX&UIを書籍で読んだり、案件で経験して勉強したけど、本当にUI&UXの基礎がわからなかった、というのが理由です。

大学で1学期だけ認知心理学は履修しただけで、UXやらインタラクションデザインやらの本格的な勉強はしていません。かといって大学に戻って「インタラクションデザイン」を一から勉強するのは、日常生活があるので難しいと考えていました。

そこで、短期間でUXの基礎を確実に勉強できないのかなと?それからUXのカリキュラムを提供しているワークショップ・大学をネットで必死で探したところ、ニールセン・ノーマンが短期でワークショップを1週間で提供していると知り、「これはいい!」と。また、資格の為の復習テストもあると。

復習テストがあれば資料の見直しもするだろうし、身につくだろうと思って資格の取得のテストを受けることにしました。

大満足のワークショップ

ワークショップは参加して大満足でした。

まともにUXについて基礎教育をうけていませんので、基本を学べたことは目からウロコでした。HCDとインタラクションデザインの違いなど。「あー知らなかった」と感じたことが多々ありました。

あと、自分のスキルの足りない部分がよくわかりました。やはり、自分で選んで興味があることを勉強するのは、好きな食べ物を食べているのと同じようで、知識や思考回路に偏りが起きてたんだなと。

なぜなら、UIを設計したり、UXを設計したりする上では、ユーザビリティテストが一番に重要だと考えており、理論はそんなに勉強せずにいました。これが良くなかったことがわかりました。

肝心の費用は、どのくらい?

費用は全部で、70万円也

  • 授業料が40万
  • 飛行機が10万
  • 宿泊が10万
  • その他もろもろ10万

多分、食事とか雑費をいれると70万ぐらいだと思います。通常はワークショップを1日10万ぐらいなので、8万円は普通ですね。僕が開催しているWDEの5万円はワークショップとしては安い方ですね。

参加者は200名程度。開催国のオーストラリアのみならずインドネシアなどからも参加者がいました。日本人はぼく1人。久しぶりに英語だけの環境だったので、英語の頭を呼び起こすには凄く良かったと考えています。

参加者の層は、若い人から50代ぐらいまでの、管理職も結構多かったです。僕のチームにはオーストラリア政府の人もいました。

資格を取るのは大変?

はっきり言って大変です。予想以上にテストは難しい。まず、講座は日本語ではありませんし、講演も資料もテストも全部英語。

出題された問題は、英語のキーワードがワークショップの時と微妙に言い回しが変えてあったりと激ムズ。

資格を取るためのテストは60分で30問。途中で休憩してもOKなので、調べて受けれることもできます。なので楽勝のような気がします。しかし1問1答のような、安直な問題は殆どありません。しっかりと考えないと解けません。

特に5個受けたうちの4個目のテストが超難関。一つのテストへ3回チャレンジできますが、最初の1回目で合格ラインの80%に届かず76%。先生は優しかったのにテストは優しくない。心のなかでは、「騙されたー、あいつの難しいじゃん」と思いました。

それから1週間程度、缶詰めで必死で勉強です。そして2回目を86%で合格。これだけ勉強したのにギリギリかと落胆しましたが、スライドを何度も見なおしたことは、自分にとって大変復習になり納得しています。

テストで勉強するきっかけになったのは、非常に良かったです。当初の予定どおりではあります。

日本人初

UXCを取得してからニールセンの取得者のリストをみていて分かったのですが。日本人で取得した人は他にいませんでした。

日本人では僕が初です。だからといって何もないんだけど。

アジアではインドネシアとかベトナムの方はいましたので、日本は極端にすくないんだなと。たぶん、英語が壁かなと考えています。これは一朝一夕に解決することではないので、将来もすぐにはUXCを取得する人はでてこないかもしれないです。

さらに勉強をしたい

今回のワークショップで自分が分からない点や足りない点などが分かったので、そのあたりを勉強したいという意欲がわいてきています。また、やるならニールセンの提供するカリキュラムを全部を履修したいと考えています。

近い将来、米国出張の際に、ラスベガスで開催されるワークショップに参加予定をしています。リサーチ関連と基本的なインタラクションのワークショップを中心に6講座ほど参加予定です。

そのあと、シンガポールでミャンマーのオフィスに行く途中で4講座を受講する予定にしています。

そして、UXCの他にMaster(UXCM)の資格にチャレンジします。Masterは1390人がUXCを取得していますが、UXCMは世界にわずか9人しかいません。UXC取得者の0.5%という厳しい世界ではありますが少しずつ頑張ります。

スキルは向上したか

向上したかわかりませんが、確実に考え方は変わりました。UI&UXの基本理論を学ぶことで、ウェブサイト上でなぜ人がその行動をするのかを論理的に説明できるようになりました。

なぜ、クライアントはビジュアルデザインばかり気にすることもわかりました。そして、ユーザーはなぜ気にしないかも。

ワークショップで、「もしプロならば、しっかりと説明できなければならない」と講師の方がおっしゃっていましたが、納得です。テストをすればわかることは沢山ありますが、プロのUXの肩書きを掲げるのであれば、仮説をもっと理論的に組み立てられなければなりません。ただデザインをしてはいけないのです。

これから、僕が担当するUX&UIの講座にも取り入れて、学んだことを講座にフィードバックしていきますのでUX&UI講座に参加してみてください。

2014/08/06

WebデザインのPhotoshop納品で間違ったことはしていませんか?

1pxのズレはコーディングできないデザイン!

DTPの世界でもグリットシステムは利用し、数値を利用して配置するデザインは基本中の基本ですね。 しかしながら、マウスを引っ張って配置するようなデザインをして、数値を利用したデザイン配置をしないデザイナーが存在します。 感覚だけで配置するデザインなので、1pxのズレなども多く発生します。このようなデザインをコーディングには大変なことなります。正直言うと、コーディングできないデザインなのです。

そんな当たり前のことができていないデザイナーが多い?ことから、海外では「photoshopetiquette」Photoshop エチケットというコンテンツがありましたのでご紹介いたします。

日本でも同様に起きていますね!弊社でもこのようなデザイン、ファイルを納品されて困ったケースがあり、受講生に聞いても同じ悩みがあるようです。

プロとして最低限のマナーなので今一度チェックしよう!

デザインはデザイン会社で行うケースも現場では少なくなりません。この内容は、はじめてお付き合いする企業様へのガイドラインの参考としても利用する事ができます。

メールなどで直接言うと角が立ってしまうケースや、他にもチェックしてほしい項目などがある場合に、さりげなくリンクを送るのは良いかも知れません。

Webデザイナーのプロとして最低限のマナーになるので一読しておきましょう。

2014/07/22

クロールバジェットはないのか?

マット・カッツ氏 インタビュー by エリック・アンギ―

マット・カッツ氏は2000年1月にソフトウェアエンジニアとしてGoogleに参加。ノースカロライナ大学チャペルヒル校でコンピュータグラフィックスの博士号を取得後、ノースカロライナ大学からサイエンス修士を、数学とコンピュータサイエンスの学士号をケンタッキー大学から受領している。

2014/07/16

レイアウトの目的って何?

レイアウトは何のためにするの?

レイアウトを Wiki Pediaで調べると

デザイン(紙、ウェブ等)、建築設計、インテリア(展示会場・展覧会場設計、ショールーム設計などを含む)、書籍・雑誌・新聞などの編集等々において、何をどこにどのように配置(割り付け)するかということ、また、そのような配置(割り付け)をする行為も意味する。
と書かれています。レイアウトの説明としては間違っていませんが、何のためにレイアウトが行われるのか、目的が記載されていません。

レイアウトは何のために行うのでしょうか?

レイアウトの目的を知らずに制作してしまう危険性

レイアウトの目的を知らずにデザイン制作をしてしまうと、テイスト、世界観、雰囲気ばかりに目が行きがちになります。

デザインの上で(テイスト、世界観、雰囲気)これらの要素は大切ですが、レイアウトの目的をまず知らなければ雰囲気だけのものになってしまいます。

DTPの世界でも文字を読ませるために改行位置を文章のきりの良いところにしたり、禁則処理を行うのもそのためです。

2014/07/04

div#wrapperは必要ない! HTMLはシンプル且つセマンティックで

制作したサイトにdiv#wrapperはありませんか?

あなたが制作したサイトに div#wrapper が存在していたら、なぜ、 div#wrapper を使っているのか、きちんとした理由は知っていますか? もしそれができないのなら、そのdivは必要ないのかもしれません。

div#wrapperが使われていた理由

いろいろなソースコードを見てみると、今でも目にするdiv#wrapper。
そもそも、それがなぜ使われていたかの理由はご存知でしょうか?

その理由はIE6の「過去互換モード」にありました。IE6の過去互換モードではブロック要素を

margin: 0 auto;
を使ってセンタリングすることができません。その代わりにtext-align:center;を使っての中央寄せが可能できたので、その時代のデザイナーたちはbody内にdiv#wrapperを作り、

2014/05/30

Googleは レスポンシブWebデザイン を理解しているかもしれない

Google がウェブ担当者向けに提供しているツールの1つに「ウェブマスターツール」というものがあります。このツールに機能が追加され、Googleのロボットがどのようにウェブサイトをみているのかを検証できるようになりました。これによりGoogleのロボットがどこまで情報を読みこんでいて理解しているのかも予想がつくようになりました。では実際にどのように見えるのか、どこまで読み込んでいるのかを紹介しましょう。

2014/05/28

レスポンシブWebデザインでも重要、Google Chromeでの「ペイント」の確認方法

Google Chrome の Web Developer Tool を利用した「ペイント」の確認方法を紹介します。

まず「ペイント」は、ブラウザが表示領域に要素(画像やテキストなど)を配置することです。なので「ペイント」自体は普通のことで何ら悪いことではありませんし、どのグラフィカルなブラウザでも行われていることです。
しかし、スクロール時やスクロールしていない時に「ペイント」が何度も発生する「ペイントストーム」はパフォーマンス上の大きな問題です。

前回は、allWebクリエイター塾のウェブサイトを元に「ペイントストーム」がレンダリングの障害になることを理由に改善方法を説明しました。