2013/05/15

ウェブにも通ずる「千招を知るをおそれず、 一招に熟するをおそれよ」の心得

千招を知るをおそれず、 一招に熟するをおそれよ

「千招を知るをおそれず、 一招に熟するをおそれよ」とは、中国武術の世界の格言です。中国武術で有名な李書文という人が弟子に説いた言葉で、「招」というのは「技」という意味です。千の技を覚えるよりも一つの技を徹底的に鍛錬し、根本原理を把握せよ、ということです。中学校の頃に覚えた言葉ですが、今でも考えさせられることが多い言葉です。最近ではウェブであらゆる局面に直面するときに、この言葉を思い起こす事が多くなりました。

実はウェブも同じ

実はウェブでも一緒です、実際に案件をこなしていたり、教えていたりするとfloatプロパティの基礎を理解する前に、clearfixだの、:afterだの、BootStrapだのと、ハックやら表層的な一時的しのぎのテクニックやらの下手な技をたくさん覚えている人がいます。しかし、簡単な横並びのレイアウトすらできません。まさに千の技を覚えているが一の技にも熟していないのです。floatが何か?floatの仕組みなどを理解していないのです。基礎に忠実に一つの技術を大切にし、ひたすらそれを鍛錬することが必要なのです。

HTMLであればHTMLのマークアップから勉強を始めるのがいいでしょう。HTMLの歴史や仕組み、目的、マークアップをW3Cの仕様書を熟読しHTMLの書籍の著者のウェブサイトやHTML5doctorなどのサイトのサンプルを参考にしてマークアップをおこない徹底的に勉強すれば、HTMLの原理や原則に気づくでしょう。もしHTMLが全くわからないのであれば、<h1>などの要素を1つずつ勉強してみるのもいいかもしれません?

そしてレスポンシブWebデザインも同じ

レスポンシブWebデザインについても同様です。たしかに他にスマートフォンの対応方法があるかもしれません。ただ、レスポンシブWebデザインのみを追求することによって、それが「一招」となりレスポンシブWebデザインの本当の原理や可能性や欠点を見い出すことができるのでしょう。例えば、レスポンシブの現時点での開発上の欠点は画像でしょう。
しかし、その弱点を知れば弱点を補う方法を試し解決へと至るのです。レスポンシブWebデザインの場合は、それが画像の処理であったりpicture要素srcset属性ということになるでしょう。

「千招を知るをおそれず、 一招に熟するをおそれよ」は視野を限定化することではない

一つの技術に精通するということは視野が狭くなると考える人もいるかもしれません。しかしそうではありません。
前述の李書文という人は、拳法(手技を中心とした武術)のみならず槍という武器ついても「神槍李」(神のような槍の使い手の李書文という意味)といわれハエを槍で突き落とすことが出来たと言われています。また、自分の練習している拳法の流派の欠点を知り、欠点を補うべく他の流派も勉強しました。欠点を知れば次に何をすればいいのか分かっていたのです。浅い知識だけを身につけ稚拙に判断をすることが一番危険です。技術を徹底的に勉強し理解すると、その技術を中心として他の技術を理解できるようになります。

http://www.flickr.com/photos/leelefever/223694844/sizes/m/in/photostream/

たとえばHTMLを勉強すればHTMLの構造を考えて作られたCSSの仕組みを理解できるようになります。HTMLとCSSを勉強すればCSSの不十分なところに気付きJavaScriptの存在にも気づくでしょう。山の頂上にたって、隣の峰を見渡すような感じです。頂上に立てば隣の峰までの距離やルート、そして高さが見えるようになるでしょう。

これを続けていけばいろんなウェブ技術の原理原則を学ぶことができるようになれるでしょう。

何か一つ負けない技術をみにつけよう

中国武術の話を交えてウェブについて考えてみました。皆さんもウェブの中で何か一つを徹底的に勉強してみませんか、きっと物事の原理がわかり新しい世界が見えるようになるかもしれません。ツールやバラエティにとんだテクニックを追い求めるのも大切かもしれませんが、基礎を固めることが一番大切です。